術後三日目

「明日 レントゲンに行ってきてね」と前日言われた。
好きな時間にひとりで。
外来患者さんが来る前に行った方がいいかも。


イメージでは車いすに乗って看護師さんに押して貰って
帰りに売店など寄り道して


なんてことはないのであった。ひとりでとぼとぼ行くのね。


8時40分。レントゲン室を目指す。受付で手首バンドを見せる。
「45分からです。お待ちください」
開始と同時に三つあるレントゲン室が稼働を始める。
そのうちのひとつに呼ばれた。女性技師さん。
立ったままの撮影は問題ないが 台に寝転がってと言われて躊躇する。
「大丈夫 手伝うから」
技師さんの細腕が頼りなく見えたが すかさずもうひとり入る。
痛みを感じる暇もなく台に横たわり
起き上がる時はひとりに軽く押されただけで座ることができた。
おお プロや。撮影ではなくサポートに感動する。


リハビリ。歩いた後、リハビリルームで階段昇降。問題なし。


実習生が教官の前で、体温脈拍血圧を測定する。聴診器をお腹に当てる。
私も一緒に緊張する。
その前に看護師が実習生の前で検温をしたのだが
「いつもとちゃうやん」である。実習生の前だからやたら丁寧だった。


夕方、そろそろ日記を再開しようとしたら、ボールペンがない。
記録用に出しておいた。落ちたのか転がったのかタオルと一緒に出してしまったか。
サインペンとシャープペンもあるが、ボールペンはボールペンである。
売店に行く。ついで尿取りパット1パック買い足す。備えあれば憂いなし。


夜になって看護師が「間違えて持ってっちゃった!」と持って来た。
「ごめんね」と台を見て「そして二本持っていたと」と呟く。
買って来たんだよ!と喉まで出かかるが呑み込む。


レントゲン室・売店の往復と病棟廊下4周。
痛みは軽くなりつつある。
今更「追加の痛み止め」の話をされてもなあ。