ドラマとコロナ

深野

「老害の人」が面白いねと家人と話す。

まだ一回しか見ていないが。

「うまくコロナと絡めている」


後から考える。

少し遅れて息子が感染した以外、身内に患者はいない。

当然死者もいない。

父が渦中に亡くなったが、もとより家族葬のつもりで

「いい言い訳ができた」ぐらいのことだった。


まご女は2020年2月の生まれである。

入院時は付き添い者も入室できたが

退院時は既に患者以外病院内に入れなくなっていた。

まるきりのコロナっ子である。

娘とまご女を中心に自宅で息をひそめて生活していた。


閉塞感に苦しめられた数年だったが

過ぎた今となっては「そんなこともあった」である。

だからドラマもただ懐かしく見ていられる。


けれど

ろくな手当も受けられず亡くなった人や

家族の看取りも見送りもないまま送られた人など

遺された身内の痛みはまだ記憶に新しいだろう。

どんな思いで「そんなこともあったね」を聞くのだろう。


そう考えると罪なドラマかも知れない。

役者たちも所詮「生き延びた」人たちなんだから。


しかし なんだね。たかが数年前なのに

あの息苦しさを忘れかけている。

遅かりし 公取(その他)

深野

底値と思った買い足した株がいずれも下落してしまった。

放っておけばいいだけなのだが、ショックである。

くっそう。


タンクトップを半袖Tシャツにして靴下をはいた。

短い秋だ。

いっきに冬支度に移行しそうな気がする。


マンションの大規模修繕の日程が2~3か月ずれそうだ。

そうなると来年の秋は足場の中で過ごすことになる。

ばかやろうな気分である。

夏物の整理をどうしてくれる。鉢植えの成長期をどうしてくれる。

遅れたのは「談合」騒動のせいだ。


老朽化マンションが深刻化し

修繕積立金不足で思うように大規模修繕ができないマンションも増え

やっと国が動き出したのか


公取が設計監理会社や施工会社の談合取り締まりを強化している。

次は管理会社だともいう。

遅いわ。


10年以上前から警鐘は鳴らされていたのに

マンション住民たちはのほほんと過ごしてきた。

国も自治体も積極的には指導しなかった。


「超長期計画をたてろ」「第三の口座をつくって解体費用を貯めろ」

と組合に言ってきたが、誰も聞く耳もたねえ。

ひとりだけ理解してくれた議長もいたが、彼女曰く

「一歩どころか数歩先をいってます。誰もついてこられないでしょう」。

まさかと笑ったが、そのとおりだった。


今現在ですら、まだ組合は目覚めない。

古き良き時代にすがっている。


もう先のことは知らん。

だが来年のことはすぐそこだ。

一年先とはいえ、今から憂鬱である。

変化していく まごとの時間

深野

まごズくる。

ひとしきりの近況報告の後

おはじき となる。

せっかく買ったのだから遊んでくれて嬉しいが

私がいちばん弱い。

私の失敗を見るためにやってるんじゃなかろうか。


昼近くなり

家人はテイクアウトを取りに行き

私は台所に入る。

まご女が「ご本つくるから かみをちょうだい」と言う。

お絵描きブックから一枚破り取って渡す。

自分で8枚に切って書き始める。

「えんぴつがいいかな ボールペン?」「えんぴつでしょ」

消しゴムで消せるからと思ったのだが

ほとんど使うことなく一気に書き上げた。


できあがりを見て(読んで)驚いた。

びっしり書かれた文字。文法も用法もほとんど合っている。

童話の定型「くりかえし」「微妙な変化」を取り入れて

少しずつ盛り上げていく。

本好きなんだなあ。読んだものを吸収している。


ただ オチがな…


「それならば おかあさんがやっつけてくるといって

おかあさんやぎは かまをもってでていきました。

そしておかあさんやぎは かまで おおかみをやっつけて

かえってきました。それからはおやこでなかよくくらしました」


ベースは「七ひきのこやぎ」なんだろう。

たしかにあれも おかあさんやぎが活躍しているけれど…


ご飯を食べて 折り紙と粘土をやって おやつを食べて。

それで一日が終わった。

漫然と「おしゃべり」している時間が長かった気がする。

成長を感じられるのは嬉しいけれど

反面「いつまで 祖父母と遊びたがるかなあ」と寂しい気もする。

自分の子どもの時はただ嬉しいだけだったのにな。

なら早く買えや…

深野

2年前ぐらいか。

吉野屋の広告が入った。

朝定食にフリードリンクを無料でつけることができる。


吉野屋に朝定食があるとは知らなかった。

これなら株を買ってもいいんじゃない?

試しに一度割引使って朝定食を食べに行こうよ。

と家人に言い、目につくところに広告も置いておいた。

だが無視されたまま期限は切れた。


忘れた頃、家人が言った。

「朝定食 あるんだってな!」

ばかやろーと思いつつ、試したらなかなかによろしい。


しかし2800円で買うつもりだった株は2900円を超えていた。

「2900円まで下がったら買う」「いや 今だろ」

だったらお前が買え!だが、家人は私に買わせようとする。

確かに優待株は私の担当ではあるが、3400円までは上がるとみた。

3000円でなら投資目的でも買えるではないか。


結局私が買った。月一頻度で朝定食のお世話になる日々。

気づいたら株価が4000円に迫っていた。

すると家人が言った。「今なら10万のもうけだな」

「え なんで」「俺も買った」

だったらなんであの時買わんかったんや。

私は言うたよな? 「この株は上がるで」



松のやの季節限定定食が面白そうだと知る。

松屋の株を買うのはどうだろう。

行ったことがないから一度は行かないと。

今の季節限定が終わる前に!と言っているのに

家人は動かない。季節限定が嫌なら他の物を試せばいい。


季節限定は終わり、株の検討もやめた。

2年後。

松のやの朝定食に「かつ」があると知って伝えたら

「今日にでも行くぞ!」と動き出す。

松のやの優待は朝定食で使うにはもったいないが

ランチに行ってもいいんじゃないかという手ごたえはあった。

だがしかし。

松屋の株は現在上昇中。遅かりし。

きいいいいっ。

今度は証券会社

深野

信金行って信託行って、俺はやったぜな気分になっていたら

証券会社の担当者から電話。

「100万で年4万円の配当」の商品の紹介だった。


株の口座からはお金の出し入れはしない。

株を売ったお金で株を買う。配当を積み立てて株を買い足す。


年利4パーセントといったら今現在高い。

しかし証券会社の口座の余剰金には限りがある。

「同じ100万なら株を買った方がいいよねえ。

一年で4万ぐらいかるく稼げるっしょ」と家人に言ったら

「そんな簡単じゃないだろ」と年4万の配当に未練を見せる。


確かに「ギャンブル」という認識と

「(確実に)4万円もうかる」という判断は矛盾している。

でもなあ。感覚的にはそうなんだよなあ。


オンライントレードしてない私は

売買の際いちいち電話しないといけないから

4万円(手数料や税金を考えると6万円)あがったぐらいじゃ

売る気になれない。

けどオンラインなら気楽に売り買いできるもの。

年どころか数日でそれぐらいいくんじゃ…

(と考えるあたりでギャンブルなのであった)

(だから私はオンライン化しない)



担当者「今 株価下がってますが 狙っているとこありますか?」

いやいや 私の(優待目的の)株は市場と全く連動してませんから。


吉野家(買った!)も松屋(買い損ねた!)も上がりっぱなしです。

松屋な… 吉野家も松屋も家人と因縁アリだわ(続く)。