XELOX療法 ⑧

8日目。
点滴の影響が抜けて来たのか、
一番の副作用である指先の知覚過敏が軽くなった気がする。
なくなったわけではないが、反応がいくらか鈍くなった。
腕の痛みもほぼ引いた(血管痛)。
ここからは飲み薬の影響が蓄積されていくのだろうが、
今のところはまださほどに実感されていない。


食欲、というか「何を食べよう」「あれをこうしよう」という意欲が出て来た。
吐き気がないのは本当にありがたい。
今のうちに栄養をとっておこう。


鈍くなったとはいえ、水は触りたくない。
包丁を使わず出来る料理をする。野菜ははさみで切ってザルで洗う。
ゴム手袋。酷い時は手袋越しでも駄目だったが、短い間なら大丈夫。
あれこれ工夫して食事の支度を整える。
いつもやってくれている家人が所用で外出中に頑張る。


帰宅した家人が、想定した反応を示してくれない。
「できたこと」だけで嬉しい筈なのに「評価して欲しい」のか、
違う、「できて当たり前」と思われることが怖いのだ。
それに単純に喜んで欲しかった。
私が「できたこと」と、自分が「やらずに済んだこと」両方を。


そんな不満もあって、夜、つい小言をかましてしまう。
ああ。少しよくなるとすぐこれだ。感謝を忘れる。
より以上を要求する。


今は、無事一日を終えたことだけで満足しなければいけない。