うわさの2リットル からの

自宅で飲む場合は500mlのボトルを貰う。
それを自分で薄めて2リットルにする。
2リットルのペット ボトルを見て「これ2時間で飲むんかい」。
飲める気がしねえ……


だが そこはよく考えられたもので
そういう「味」になってる。
美味しくもないが げろ不味いというわけでもなく
飲んでも喉が潤うわけでも お腹が膨れるわけでもなく
時計を見ながら ちびりちびりやっているうちに減っていく。


心配したほどのことはなく
また前回前々回のように腹痛でのたうつこともなく
淡々と飲んではトイレ またトイレ 飲んでは トイレ
を繰り返しているうちにボトルは空になり
そのうちお腹も空になり
でもって眠くなったので休憩がてら横になり


寝てしまった。
寝ている間トイレを休んだので その分のしわよせは来たが
家を出る時間までには落ち着いた。
ああ よかった。
道中でトイレに行きたくなったらどうしようとそればかり心配していた。


ここをクリアしたら あとはもう楽勝楽勝。


てのは甘かった。
前回内視鏡検査が短く軽かったのは
「奥に入れられなかったから」で
今回「通らないと思ったら通ったよ」とばかりにずんずん奥へ。
姿勢も横向きから仰向きにかわり
何度も襲う痛み。姿勢も段々きつくなり脚がつるんじゃないか。
朦朧となりかけた時
「奥まで行けちゃったんでポリープ切除しときましょうねえ」
「また改めては面倒でしょ」とのお声。
お願いしますと返事する。


その後何か撮影するようで「はい 姿勢変えましょう」と
横向いて 斜め向いて。


長かった。


長かったけど 終わったんだ。終わればもう忘れる。
いつもは鬱陶しいマスクだが 表情が隠れるのは助かる。
イタい顔も見られずに済む。


その後説明。先日のCTの結果も説明。今後の予定。
「明日胃カメラ いけますか?」 「はい」
「心電図と肺活量も今日 ああ 今日はだめだ ポリープとってる。
木曜か金曜 大丈夫ですか」 「はい」
「あとは外科への引き継ぎだな ……外科 混んでるな。
交渉してみるから ちょっと部屋出て待っててください」 「はい」


とんとん予定が埋まっていく。
どこまでもついていきます! な気分になった。
病院通いが始まって一番楽になれた時かも知れん。


普通なら憂鬱な胃カメラも すんなり予約がとれただけで嬉しい。
下部内視鏡のあとじゃ 胃カメラなんざ へでもねえぜ。


てのも甘かった。
10年前と20年前にやった。そんなにつらいと思わなかった。
あの時より進化してるんだから
と気を抜いていたら おえ おえええ げええええ ごふっ
あまりに長いから なにかやばいものがあるんじゃないかと
それだけで痛みは増すは苦しいわ。
涎は仕方ないとしても涙が滲んで流れていく。
「もう 終わりますからね」という看護婦さんの優しい声のあとで
「あ 念のため あ ごめんねー 念のため 〇△をねえ」と先生の声。
再びぐりぐり。


長かった。
長かったけど 終わったんだ。終わればもう忘れる。