腸閉塞 愚痴編

といっても
手術で入院した時より待遇は悪くなかった。
前にも書いたが
何度も経鼻菅から廃液を抜いてくれたし
お腹の音も毎回聞いてくれていたし。
明るく親切な看護師さんもいたし。


だから愚痴るほどのことは(そんなには)ないのだけれど。


私は血管が細い(らしい)。
点滴や採血の針が刺しづらい。それは分かる。
以前からの傾向である。
あるが、ここまでひどくはなかった。
今回あまりに「細い」「細い」と逃げられたから
思わず主治医に
「化学療法の副作用に血管が細くなるってあるんですかっ」
と訊いていた。
「ないです」
「一年前の入院の時より細くなってるようなんですが。
じゃあ 加齢ですか 筋肉量の低下ですか。鍛えたら太くなりますか」
「太くする方法はありません。
これは医療側の問題で患者さんが考えるようなことではありません」


そう言われて寝転んでいろいろ考える。
前回の入院時、最初に刺そうとした看護師は
援けを呼んだうえで何とかしようと温めたりさすったり
自分たちで懸命に血管をさがし刺して失敗し(涙)
またまた失敗し(涙)、それでも果敢に挑んで三回目で成功した。


しかし今回、そこまで頑張った看護師はいなかった。
針を抜く前に血管を確かめ
「いいのがないから 交換するのやめようね」
と放置した看護師さえいた。
ひとり逃げれば、次の人も逃げる。
5日目に交換予定なのに7日目に自己申告して漸く交換となる。


失敗してでも練習しなければ巧くはならない。
叱られても怒られてもやるしかないのに逃げている。
そんなことではいつまでたっても巧くなんてならない。


ベテランに見てもらいながら
二度失敗したら交替してもらうことにして練習すべきなのだ。
それで患者が怒ったら師長なり頭を下げればいいではないか。


逃げる若手も悪いが、指導放棄する上役も悪い。



穿刺に限らず
いろんなことが事勿れ主義になってるなあと感じた。
自ら関わることを避けている。余計なことは言わない、しない。


看護師のひとことで救われることもあるのに
そのひとことをまるで惜しんでいるようである。
患者のためよりも自分の保身を優先させているようにも見える。


身体がしんどい時は
看護師の優しさも冷たさも倍以上に沁みるのである。