まご娘

もうじき三歳になる孫娘が、まだハイハイもしない頃の話。
腰痛もちの家人が全力で遊んでやっているので
「そこまでサービスしなくてもいいよ」と言ったら
「俺が楽しくてやってるんだ!」と言い返された。


「えええ 楽しいの?」(驚)
「楽しいだろ!」(驚)


楽しいの? 楽しくてやってるの?


その数か月後、家人は帯状疱疹にかかる。
孫娘は水疱瘡の予防接種前だったので、医師の許可が出るまで面会禁止。
「禁断症状で手が震えるんじゃない」とからかったら
真顔で「うん」と返された。


え。マジで会いたいの?



前にも書いたが私は子どもが苦手である。
子どもと遊んで楽しいと思ったのは「ぷよぷよ」ぐらいである。
尤もこれは私が「遊んでもらっている」状態であった。
下手なのだ。
デビクラ(デビルメイクライ・プレステ)をやりたい一心で
反射能力を養うために「ぷよぷよ」を始めたのだが
一向に上達しなかった。よってデビクラもクリアできなかった。


余談になるが、
ぷよぷよキャラのコメントを聞きたくがないために
音声コードを差さずにプレイするのが常だったのだが
通りかかった息子が「抜けてるじゃん」とわざわざ差して
私の怒りを買ったことがある。ってホントに余談だな。


子どもが機嫌よくしている時は、決して声をかけない。
目も合わせない。子どもの視界に入らないよう匍匐前進したこともある。
それくらい子どもと遊びたくないのである。
それが楽しい?
敢えて会いたいと思う?



療法が始まってから、孫娘、というより娘一家と全く会っていない。
徒歩圏に居住する彼女らとは週に二度三度、多い時はほぼ毎日、会っていた。
週に一度は昼食と昼寝をはさんで孫娘を預かっていた。
それが入院からこちら、数えるくらいしか会っていない。


「そっちに行きたがってるんだけど 無理そう?」 娘が訊いてきた。
「約束するとプレッシャーになるからヤダ」
すげなく断る。孫娘は可哀相だが、ちょうど世界が広がりつつある時だ。
暫くすれば忘れる、のが無理でも諦めるだろう。
1クール目は比較的楽に過ごせたが、今後は分からない。
中途半端に会うよりも、先が見通せるまで会わない方がいいんじゃないか。


子どもは「観てる」のがいい。観るだけなら動画でいい。


これが家人だったら体に鞭打っても遊ぼうとするのか。
それが悪いことだとは思わない。我慢が一番よくないと思うから。
だから私は
我慢してまで孫と遊ばない。


もしかすると次に会うのは入園後かも知れないね。
そしたらもう幼児でなく「園児」だ。
園児の彼女はどんなんだろう。
孫太は私のこと忘れてるかも知れないね。
泣いたら、もっと泣かせていじめてやろう。
(子どもと遊ぶのは嫌いだが 子どもで遊ぶのはそれほど嫌いじゃない)


次に会った時、孫娘はどうやって遊ぼうとするだろう。
ぬいぐるみたちの設定を、その時もまだ覚えているかな?