自転車

近所の知人男性が「子ども用の自転車要らん?」と訊く。
娘さんのところのお子さんが乗らなくなったもの。


まご女4歳。そろそろほしいと言うけれど、店に行ったら
「小さくて合うのがないねえ」と言われたという。
貰ってもすぐには乗れない。


そもそも当人はオレンジ色が欲しいと言っている。
色を訊いたら黒。


断ったが
家人が娘に確かめたら「欲しい」と言うではないか。
引き取った。


娘宅にもっていく前にせめてきれいにしてやろうと汚れを拭いた。


傷も少なく、どこも壊れていない。かごも傷こそあれ割れていない。
がっしりした作りでやや重め。
高かったんだろうなあ。


きっと知人男性が孫に買ってやったんだろう。
それを娘さんが惜しげもなく捨てるというから
貰い手を探したんだろう。


我が家だって孫に自転車の一台買ってやれないわけじゃない。
娘宅にしても子どもに新品の自転車買ってやれないわけがない。
女の子なんだからピンクやオレンジの可愛いのがいいだろう。


でもやっぱり捨てるのは勿体なかった。
まご女はまずこれで練習して、次に好きな色を買えばいい。
その頃にはまご男がこの黒い自転車に乗れるだろう。


循環はやはり大事だ。