今年の恵方巻はきつかった

去年よりでかいんじゃね?
と思ったが 去年も「太い」と書きつけていた。
太いから「かぶり」つけない。
咥えたまま食べ進めるのは無理である。
一昨年は違うところで買ったらしく(記憶にない)
ぱくっとしたままむぐむぐ突き進めたようである。


それでも去年は(療法中であったにもかかわらず)
食べきるという点では楽勝であったのに
今年はきつかった。途中で飽きた。一応全部食べたけれど。


私のせいか店のせいか。
家人に「米 多くね?」と言ったが「そうかあ」だった。


まあいい。目的は果たした。



保育園で豆を貰う。
貰って来たのは私なのに、年の数だけ、となると一番少ない。
早く大人になりたいと心の底から思った。


孫までいる年になってみると
豆など食べるどころか買おうとすら思わない。


人生ってそういうものかも知れない。



早く親になりたいと心の底から思ったのは
耳かきを強制される時だった。
母親にほじられながら「私も早く やる方になりたい」。
そしてめでたく親となり、子どもの耳掃除を嬉々としてやる。


ある時。娘を耳鼻科に連れて行った。
医師が娘に訊いた。「自分で耳の穴 掻いた?」
娘は一瞬迷い「はい」と答えた。


診察室を出て私は娘を詰った。
お母さんに隠れて何やってんの! 
娘は言った。
「やってない。
お母さんがやったと言ったら お母さんが叱られるんだよ。
前に先生に家ではやらないようにって言われたじゃん!」
え。
「素人が掻いちゃいけない。自然に出てくるのを待つか病院に来なさいって」
う。
「だから黙っていてあげたのに」


しかし娘は成人後、自ら「耳かきして」と言って来るようになった。


耳かきと言えば。
近所の男児 といっても大学生。
その妹の用事で訪問した際、いきなり「耳かきしてくれる?」。
「はあ?」
その母である知人が「子どもの頃 頭が重いから嫌だって言われたのよ
あなたに。〇〇ちゃん(息子)がして貰ってたから俺もって頼んだらさ」
と説明を始めた。だけど今ならもしかしてと思ったんじゃない?
頭はもっとでかく重くなっているが、息子は既にさせてくれないので
彼の耳かきをするのに吝かではないが、いかんせん
訪問の目的はその妹にあり、しかも時間がないのであった。
(部活の衣装を次の日までに仕立てないといけない)
「今度ね」と言ったが、次の機会はなかった。
ずっと会ってないが、今どうしているだろう。


…節分の話だった。
幼児教室でまご男は、鬼に扮した先生を見て「こあい」と顔を上げなかった。
女の先生が鬼のコスを着ただけの、面もしていない鬼なのに。
豆を全力投球していた娘の子とは思えん。