手術前に読むか手術後に読むか

中山祐次郎を続けて読んでいる。
「俺たちは神じゃない」を読み終わったところ。
最後にロボット支援手術が出てくる。国産ロボット。
裏付けを見たら2022年6月出版である。


麻酔医の役割やロボット支援手術について「へええ」である。


これはどうなんだろう。
手術前に読んで知っておいて
現実との齟齬を主治医に問い質したりして楽しむか。
終ってから落ち着いて読むか。



ダビンチ君の手術だと聞かされて驚いた。
腹腔鏡手術ですら他人事と思っていたのに。
「何か質問は?」と言われ「ダビンチって会話できるんですか?」。


他にもっと訊くことあっただろうに…
だけど実際の施術について訊いても分からないし
分かっても仕方ないし。
それこそ外科医(の処置を受ける患者)にはYESか「はい」しかないんだ。
訊いて分かったところで「ここはこうして」なんて言えない。
内科医の処方に「眠くならない薬を」と言うのとわけが違う。


けど
小説を読んだ後だったら、分かりづらい箇所を確かめることはできた。
けど
そういう質問をされて喜ぶ外科医が果たしているだろうか。
黙って寝てろ。


やっぱり手術後に読むべきかな?
読まないでもいいんだけどさ。


全体にこの人の著作は
医療現場の記述以外、小説として面白いかと言えば
まあ、どうしたって素人臭さは残る。
研修医シリーズなど、主人公に作者の人柄が透けたり。
(人格と人柄は違う)


「外科医」を理解するにはいいかも知れない。
主治医と話しづらかったりする場合は特に。
人柄ではなく「外科医柄」と分かればいろいろ楽になるし
潜り抜けることも出来ないわけじゃない。


ただね…
主治医のレベルを計ったりするような人はやめた方がいいでしょう。




ところで「あとがき」で気になったのだけれど
夫婦の寝室が二階で、ベビーベッドが一階?
奥さん外国人?と考えるのは、私が古いからか?