営業
二年前、証券会社からアンケートはがきが届いた。
担当者があまりに酷く「もう一回やらかしたら苦情言わねば」
と思っていたところだったので回答した。
後日上役より電話あり。
その後新しい担当がついたのだが。
上役にしても新担当にしても「話を聞かない」。
ヘタに聞くと補填しなければならなくなるから
危機回避の意味もあったのだろう。
営業の基本は「聞くこと」だとしみじみ思った。
今更弁済しろとは言わない。聞いてくれるだけで気が済んだ。
しかし掘り下げようとはしないし
聞き流されている感が強くて、それ以上言う気にもなれず。
とはいえ
その後の付き合いにおいてはやはり「聞いて」欲しいし、
覚えておいて欲しい。
口下手なカーディーラーが意外と成績が良かった。
どうしてあの人が?
口下手ゆえに信頼され、気弱ゆえに同情され、
なんとなく契約に至るのかなあと思っていた。
でも口数が少ないから、客は思う存分要望や苦情を話すことができる。
立て板に水の営業よりもよほどに効果的だったのかも知れない。
息子は営業職である。
どちらかというと販売職向きだろうと思うのだが、営業である。
息子と喋っていて気づいた。「話が通じる」
家人や娘と話している時に感じられない心地よさが
彼との間にはある。
家人は10言っても通じず。10×3でやっと10を理解する。
だが10まで聞くことはあまりない。8で分かったつもりになる。
どうしても分からせたい時はしつこく繰り返す。
娘は10言って5補足して10を理解する。
だが息子は5ぐらい言えば理解し、でも10まで聞く。
だから営業をやっているのか、
もともと勘がいいところを営業で鍛えられたのか。
あああ! 思い出した。
家人はかつて「営業をやってみたい」と転職したのだった。
そして玉砕した。
…そらそうだ。
話を聞け。
ねむの木の根元に発見!
育つかな?
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