孫の相手

久々に孫娘が来る。
昼食前後の予定が、当人が早く行きたいと騒いで、
少し早くなった。その程度の予定変更が結構響く。
10時半から1時半。たかだか3時間。
食事は弁当だから準備も要らないのに、どっと疲れた。
「いっしょに来ないの?」と潤む目で言われても、
送って行く気力は出なかった。


ここ半年ほど、急に孫娘は私に懐くようになった。
それまでは爺っ子だった。私はおまけだった。
病気発覚後、更に執着が増し、それが重い。
病気発覚後、娘が自立して行動範囲が広がって、
孫たちの世界も広がって、私への執着も薄れたと思ったのだが、
それはそれ、これはこれ、らしい。


孫は眺めているのがいいなあ。
子どもと遊ぶのは苦手だ。
自分の子育ての時は、他家の子どもを自宅に招いて、
子どもと遊ばせてしのいだ。
そのかわり、その子らの食事を含めた世話をするのだが、
自分の子と向き合うより余程に楽だった。
10人分のご飯だって作った。
子どもらは子ども同士食べるのが嬉しくて、
どんな料理でも喜んで平らげた。小食の子も。


犬も猫も複数で飼う方が面白い。
子どもも然り。


孫たちも他の子どもたちともっと遊ばせたいけれど、
このご時世、コロナじゃなくても、いろいろ難しい。
自分の子育ても振り返れば恐ろしい。
大きな問題(病気とか怪我とか)が発生しなかったのは
単に運が良かっただけ。


孫娘が私と遊びたがるのは、
私が彼女の王国の邪魔をしないからだろう。
じっと傍に居て彼女の要求に応え、少しだけ発展させる。
主導はあくまでも彼女にある。
彼女は私が発する新しい言葉を反芻し、王国を広げる。
私が彼女の家来(ぬいぐるみたち)を動かし、
彼女は新しい遊びを覚える。


その応用を観察するのは面白いけれど、
彼女自身の相手は疲れる。
孫は、というか、子どもは眺めるだけが、いいなあ。