8月がくるたびに

という児童図書がありました。


3月がくると東日本大震災。8月がくると敗戦記念日。
そして
8月がくると誕生日。私じゃない。子どもたちの。
ちなみにわたくしはドラえもんと同じ。ウエストじゃねえぜ!


娘は7月予定日が8月。息子は9月予定日が8月。
ルビーとサファイアが安いペリドットになってしまったという…
ペリドットがダメなわけじゃないんですが、
なんか、いかにもこいつららしいというか。


そして娘が1日、息子が30日。
1日と晦日は強い。だが息子の30日は晦日の一日前で
つまりは強運を逃した弱い星回りということになりますの。
これもやっぱり、いかにもこいつら、というか。


8月がくる。
ぞう列車がやってきた という絵本がある。
名古屋の東山動物園のぞう二頭が戦争を生き延びた。
これは園長たち職員の努力尽力決断力あればこそ。
戦後、このぞうを「貸してほしい」と頼まれた。
いろいろ事情があって、運搬は無理となり、
じゃあ会いに来てくださいよとなった。それが「ぞう列車」。
ぞうを運ぶ列車じゃない。
ぞうに会いに来る子どもたちを乗せた列車のことであります。
日本中(だったかなあ)から子どもたちが象に会いにやってくる!


とまあ最後は一応「めでたし」的に結ばれているけれど、
戦争中の記述は涙なしには読めない。
空襲で逃げだしたら困るという理由で猛獣を毒殺しようとするが
賢い獣は食べない。仕方なく撃ち殺す。
やがて燃料も食糧も尽き、
他の動物たちも次々と衰弱して死んでいってしまう。
ぞうも最初は4頭いたのに残ったのはマカニーとエルドの二頭。
やせ細って支え合う二頭を想像すると涙がとまらない。


後年娘に、どこが一番印象的だったか訊いたらば
「おにぎりを食べるとこ!」であった。


冒頭あたりに飼育員からおにぎりを貰う場面があるのである。


そこ?
そこ。
……


内容を思い返していて、ふと考えた。
ぞう達がなんとか生き延びることが出来たのは
軍馬用のエサを抜き出して与えていたから。
軍関係者は分かっていて
軍馬のエサをその場所に置いたんじゃないかしら。


だったらいいなあ
と思ったのでありました。


8月がくるたびに は原爆の話。
読書感想文を書いたから何度も読み返した筈だが、
そういえば覚えているのは悲惨なところではなく
リヤカーの上で遊んでいたことや
最後にれんがで水溜まりを囲って水飲み場に見立てたこと。


子どもに戦争の話をしたり読ませたりするのって
どうなんだろうと改めて考える。
実体験じゃなくても辛いことは忘れたいと思うのかも知れない。


……娘の場合はどうか知らんけど。