まご男留守番四日目

出て行く前から母親にへばりつく。
出ていく時は大泣きする。
しかしそれも5分と続かない。


私をリビングに追い遣ると
早速ごそごそ悪さを始める。


暫しリビングで息を潜め、覗きに行く。
ミニポケットティッシュを持っている。
玄関ホールのクローゼットで見つけたのだろう。
私の気配を察するや、慌てて戻しに行く。


下駄箱を開ける。
前日は棚の紙の箱のふたをあけようとして叶わず、
諦めて終わっていたのに
それを引っ張り出そうとする。そして成功する。
成功したはいいが、戻せない。出しっぱなしはしない。
悪いことと分かっているのか(多分そうだ)性分か。
元通りにしようと懸命である。


泣き声のような唸り声のような。
私が行って箱を戻す。戻している間は黙っている。
おさまった途端、泣き出して「あっちいけ」。なんて奴だ。


クローゼットの箱の中を掻き回す。
まご女の園バックを見つける。その中におたよりばさみを見つける。
それはあかんやろと傍に行って声をかける。
いつもならそこで泣き出すくせに、泣かない。
「これは ないない ね」と取り上げようとすると抵抗する。
そして尚も開けようとする。
「だめだってば」 強く言っても泣かない。


仕方がないので取り上げ、バックに戻す。


和室で待機していたら、何かを手にして近づいてくる。
そしてなんと!それを差し出した。
玩具のような扇子である。まご女のものと思われる。
これはどうかな。壊したらまご女が怒るかな。
娘に電話する。したらば「別にいいよ 触っても」。
電話を切って「いいってさ よかったね」と言った途端、
それを放って次の獲物を漁りに行く。


小さく畳んだレジ袋を広げる。
娘やまご女の帽子をかぶる。
まご女の園の補助バッグからクレヨンの箱を出す。
「これはだめ」と取り上げるが、泣かない。
まご女の園のシューズバックから上履きを出す。
戻せなくなって唸る。


靴箱からスリッパを出す。押し込む場所を探している。
取り上げて、あった場所に戻す。
そういう時は傍に居ても泣かない。
広げたレジ袋を畳み直す。黙っている。
片付け終わると「あっちいけ」と泣く。


この間、2回のおむつ替え。
「おむつだよ」と言うと泣くが、替えている間は大人しい。


娘が帰ってくる。泣いて抱っこ。
「鬼ばば(私だ)とふたり置き去りにされた哀れな幼児」のふり。
それまでの悪ガキっぷりなど想像も出来ない。


携帯で動画も撮ったが、いかんせん操作音が出る。
まご男は警戒して動きをとめてしまう。
一部始終を撮影して、皆で観賞出来たら面白いのに。
隠しカメラが欲しいなあ。



まご女は教室の甲斐あって、水に顔をつけられるようになった。
もう一サイクルやろうかと娘が言い出した。


どうする まご男。