これも特技

朝食後、薬を飲む。
カペシタビンはとっくに飲み終わっているが、
他の処方薬が3錠と、市販のビオスリー2錠、合わせて5錠。
どれも普通の錠剤サイズ(カペシタビンは大きい)。
5錠を手に乗せ、口に放り込む。


それを見ていた家人が
「5錠も一度に飲めない。ふたつずつだな」と言った。
「ああ 年をとるとそうなんだってね」と返した後に、ふと思い出す。


私はもともと錠剤を飲むのが得意(?)なんだ。
子どもたちの遠足に同伴した時、まま友さんのひとりが
「頭が痛い」と言ったので「痛み止めならあるよ」と差し出した。
それを手に、彼女はきょろきょろあたりを見回す。
「何?」「自販機かなにか… 水がない」
「そのまま飲み込めばいいいじゃん」と言ったら、変な顔をする。


勿論、薬は水もしくはぬるま湯で飲むのが理想である。
でも水がないなら仕方ないじゃん。
と思ったのだが「無理」と彼女は言った。
「なんで?」「無理なものは無理」
そこで私は水がないと薬が呑み込めない人もいるのだと知った。
(というか それが普通なのだろうか)


以降、特技に
「百草丸20粒を水なしで飲める」を数えるようになった。


百草丸って全国区なんだろうか?
粒は小さいが、生薬とかで独特の味とにおいがする。
私はこれを腹痛の時に飲んでいたが、効用をよくよく読んだら
「食欲不振 胃弱」とある。「胃腸の働きを高め」ともある。
ふざけんじゃねえ! 
お腹をこわすたび母が百草丸を差し出していたから、
疑いもせず、ずっと飲み続けていた。それも30粒ぐらい?
そのうえ絶食だもんな。余計にお腹がすくわ。


今はもう我が家に百草丸はない。食欲不振も胃弱も無縁だもん。
でもって水なしで薬を飲むことは(原則)しない。
だから上記の特技が今も事実かどうか、分からない。


なんであれ 口に入れば 胃に入る