息子と「かわいい」

昨日息子が持って来たのはこれ。

ぞうさんの背中でタネから苗を育てます。


「かわいいだろ!」
はあ。


もし持って来るなら何かの鉢だろうと思ったが、
息子は斜めから攻めて来た。
こうきたか! はいいけれど
ええ歳こいた男が「かわいい」はないだろう。
うっとりと自分が買って来たぞうさんを見ている。


でもって
誕生日に彼が持って来たパキラの新しい葉を見せてやったら
「やっぱり かわいいよなあ」と、これまたうっとりと言う。


小学生の時。
家族旅行中おみやげを選んでいたら、娘が息子の頭をはたいた。
(日常茶飯です。この件に関しては後日改めて)
「わたしより先に『かわいい』って言うな!」


何か見つけるたび、息子が「かわいい」と声を上げる。
娘もかわいいと思うのだが、弟に先を越されて言えなくなる。
それが何回も続いて、ついに頭にきたのだろう。


中学生になっても高校生になっても、
息子にとっての褒め言葉は「かわいい」だった。
アニメなどのキャラも「かわいい」かどうかである。
強いだけではだめで、可愛くなければダメなのである。
ハガレンのエドとか。


「かわいい」の一番は犬である。それもこだわりがある。
小型犬はダメである。柴犬に代表される日本犬か、
ゴールデンとかラブラドルなどの大型犬である。
テレビを見ていて好みのわんこが映ると、悶絶している。
その姿こそがわんこである。


彼が「犬が欲しい」と言うたび、私は答えていた。
「耳としっぽをお前がつけろ」


就職と同時に息子は家を出た。
家を出て、れいの(昔の話参照)マンションに移った。
引っ越しの時に枕元のぬいぐるみは処分した。が、
コマさん(妖怪ウオッチ)だけは捨てられなかった。