ジーザス!

家人が「100分で名著」を録画する。つきあう。
前回は新約聖書だった。(今はヘーゲル)
内容は、私的にはいまいちだった。
私が好きな箇所の手前でいつもやめてしまうから。
まあ。シュミの問題ですね。だからそれはいいんだけれど


絵がな。
磔刑の絵で、イエスの上腕が十字架に縛り付けてあった。
あれはいかん。なんで余計なものを書き足したのかな?
私の見間違いか?


イエスが受けた磔刑と、日本の磔(はりつけ)は違う。


イエスの(というか磔刑に処せられた人の)死因は、窒息である。
イエスのわき腹に傷があるから誤解されることもままあるが、
あれは絶命したかどうか試すために突いたものであって、
失血死に至らせるものではない。


ナチスが実験した。人体実験。
両手首のみを固定した状態で、人体がどう反応するか。
エグいから詳細は省く。
(詳細が載っていた本をハムスターに齧られ処分してしまった)
(高かったのに…)


イエスの十字架には、臀部の下に突起がある。
力尽きて身体が沈むと、ちょうど当たるところ。
これによって薄れた意識が再び蘇る。残酷な仕掛けである。


あくまでも手首(イエスは掌だが)のみで固定された場合だから、
上腕をがっちり固定したのでは、同じようにはならない。



時系列で確かめたい時とか、聖書にあたるのが面倒だからと
書き下しの「聖書物語」を開くと、結構間違っている。
古いものほど。


一番古いやつなんて「エホバ」だし。


エホバ。正しくは(というか現代では)ヤハウェもしくはヤーウェ。
どうしてそんな間違いが生じたかというと
ヘブライ語の記述には母音がない。
そして神さまの名前はやたらめったらには唱えない。
YHWHと記された神の名の発音が分からない。
仕方なく「我が神」を示す単語の母音を入れて「エホバ」とした。
後年研究が進んだか発見があったかで、ヤハウェであると判明した。


マリアなんて7人も出てくるから、よく混同される。
旧約は「同じ名前の人は出てこない」というが
新約は、ヨハネもふたりだし、サロメもふたり出てくる。
ヨハネの方はまだ分かっているからいいけれど
サロメはひとりと思ったか、
「あのサロメがいました」と書いた作者がいた。
違います。このサロメは使徒の母。あのサロメじゃありません。
(オスカーワイルドの戯曲サロメ・新約を題材としている)


サロメと言えば、かの塩野七生さんですら間違えている。
サロメは「王女」ではない。継父も実父も王の称号を許されなかった。


イエスとユダとマグダレナの三角関係が描きたくて
あれこれ調べた。
だが、もともと社会が苦手で世界史が頭に入っていない。
カタカナの長い名前が覚えられない。
短編一本描いて頓挫した。


そう。冒頭の、私が好きな箇所というのは、
イエスとユダの絡みでございます。
ふたりの葛藤をもっと出さんかいっ!
(三人の中で一番強いのはマグダレナです)