剣道の話

本日やさぐれー。定期的にやさぐれー。
いいんじゃないの やさぐれても。


剣道は重い。防具も重いが、道着も重い。
初心者用の練習着の時はよかったが、
高校になって試合用に購入した綿製の道着はものすご重かった。


だがそれよりも何よりも
剣道は臭い。まじ臭い。
我が家の息子は温厚だが、
その息子がある日、娘と並んでリビングのテーブルで勉強中、
やおら立ち上がると、姉に向かってふぁぶりーずを噴射した。
というぐらい臭い。


部活中に身につけていたものが「武器」になるくらい臭い。
我が家の息子は年齢の割に「かまってちゃん」だった。
リビングのテーブルで姉と並んで座っていたある日、
突然立ち上がって座布団を両手に、姉に襲い掛かった。
座布団を姉の顔に押しつけようとする。
お〇らをしたらしい。
当然娘は逆襲する。息子を突き飛ばし、傍らにあったカバンに手を突っ込む。
握っていたのは綿タオル。
息子の断末魔の叫びがリビングに響いた。
あほやなあ…



面をつけると顔は殆ど見えない。
ある日、部活顧問が出身校である高校に、けいこをつけてもらおうと
部員一同引率してくれた。
しょぼい中学教師だが、そこは有名進学校。剣道部所属となれば文武両道。
「ええ男がおったらつかまえてくるんだぞ」と送り出す。


ひとりの男子生徒が娘を熱心に指導してくれたと言う。
先生、また連れて行ってくれないかと母はひとり夢想していた。


だが後日、男子部の部長が言った。
「あの人さ お前の気迫がいいと褒めていたけどさ
お前が面をとったらさ 呆然と 女の子だったのか って」


そう。娘を男子部員と思い込んでの指導だった。