一応、かつカレー

カレーをつくる。にんじんをしこたま入れて野菜を煮る。
ブイヨンと甘口のカレー粉で下味をつけておく。
自分の分を小さな土鍋に移す。甘口カレー粉を足す。
鍋の方には辛口カレー粉と海老を入れる。家人の分である。
味見は自分でして貰う。


福神漬けを買っておいた。これで気分が少し上がる。


夕方「カレーだけど 揚げ物 買いに行く?」と訊く。
歩いて行ける肉屋に行く。家人のコロッケとミンチカツと、
ヒレカツがなかったのでロースかつを一枚買う。
切って、三切れだけ甘口カレーライスに乗せた。


どきどき。


無事消化できたようなので、残りのかつは今日の昼、カツどんにする。
人生に灯りが燈る。



辛口カレーが残ったら、カレーラーメンにすると言ったので多めに作った。
したらば、
息子から電話が入った。「夕食なにかある?」」
我が家の子どもは子どもの頃からカレーが好きではない。
許せんことにカレーが好きではない。信じられんことに!
だが野外学習で「生卵を割る」ことを覚えて、食べるようにはなった。
「カレーだけど」「なら途中で揚げ物 買っていくわ」


そうまでして寄りたいのか。そうか、私の顔が見たいのか。
職場の話を聞いてもらいたいのか。先週断ったもんな(婉曲に)。
仕方ないなあ。せめてご飯は炊いてやろう。


息子来て、カレーを食す。キャベツの千切りも添えてやった。


食後、家人に「肩こり 酷くてさ」と言う。


……めあては、父親のマッサージかいっ。
家人は「指が痛い痛い」と言いながら、息子の肩を揉んでいた。