子宮頸がんワクチン

中山千里を読んでいる。犬養隼人シリーズは
「脳死・臓器移植」「頸がんワクチン」「安楽死」を順に扱っている。


私の中で脳死と安楽死(尊厳死も)は繋がっている。
医療費削減を目論む国の思惑が絡むと考えるからである。


日本では脳死=死ではない。
先の法改正で議論されたが、この二重構造は残った。
(倫理観や宗教観が追い付かないのに臓器移植促進のために
脳死を死と法律で決めるのは本末転倒である)
臓器提供を要請(もしくは承認)した場合においてのみ
脳死を死とみなし、正式な脳死判定と臓器摘出が行われる。
それ以外は生命維持が続けられる。


医療費を削減したい国としては脳死を人の死としたいところでもある。
尊厳死と称して安楽死を導入したいのも同様である。
安楽死に関しては完全否定ではないけれど
法制化には慎重であるべきだと思う。
日本人には「忖度的安楽死選択」がありがちだからだ。
欧米のように「死は個人の問題」と割り切れたら楽なんだろうけれど。


という話はさておき。
頸がんワクチン。


私は接種に反対である。
長期的副反応の問題もさることながら
説明不足・理解不足が原因である。


ワクチンは「頸がん」そのものを防ぐものではない。
頸がんの原因となるウイルス感染を防ぐもので
それすらもすべてのウイルスに対応するものではない。
一方、対象となるがんは子宮頸がんだけではない。
ゲイの男性が感染すれば肛門や咽頭がんにかかる可能性がある。


男性がキャリアとなって女性に感染させるのだから
男性も接種をうけるべきなのに日本では女性のみである。


日本で接種が推奨されるようになったのは
アメリカでワクチンが余ったから という邪推はおいておいて
(ありがちだと思うけどな。ほかでもいろいろあるもんな)


初体験の低年齢化(頸がん発症の若年化)や
不特定とは言わないまでも多数との性行為により
頸がん患者が増加したからではなかろうか。


がん予防にワクチンを推奨するならば、同時に
性行為に対する注意も喚起すべきである。
ウイルス感染による発病の危険や
避妊具の使用が感染リスクを軽減させということも含め、
性教育として子どもたちに浸透させる努力ぐらいして欲しい。


効果のほどは分からないが、そういった啓蒙も行わず
むやみやたらに「うて」は役所としても医者として親としても
怠慢であり無責任である。


国が急にワクチンを推奨する時は胡散臭い。
と言いながら、帯状疱疹ワクチンは受けちゃったけど(笑)。