園児のストレス

まご女、もうじき4才。年少組、もうじき年中組。


園から帰って、鞄からアンパンマンのティッシュを出す。
私に「どれが好き?」と見せる。まご男が横から手を出す。
娘「いつもなら怒るんだけど。弟も触ろうとはしないだろうし」。
私たちがいるから、まご女は控えている?
まご男もそれを知っているから調子にのっている?


まご女はスイミングに行き、まご男は私と留守番。
まご女、帰宅してまず「アンパンマンは? どこ?」と訊く。
テーブルの上に置いてある。渡すと裏表確かめて安心する。
自分がいない間に弟に好き勝手やられてると心配していたのだろう。
まご男は隙あらば中身のティッシュを引き出そうとするし。


それくらい気がかりなのに私たちがいると
弟にきつく言えないでいる。


娘が「最近 夜中に起きて 泣いてる」と言う。
「発表会の練習が始まったから? 進級の話はしてないよね?」
まご女は記憶力はいいので台詞やふりつけなど、すぐに覚える。
ただ人前での発表が苦手なのである。
しかしそれよりも私が案じているのは進級の際のクラス替えである。


今は補助金の関係か、満三歳で入園を受け付ける。
これまでは4月の段階で三歳になっていないと年少にはなれなかったが
三歳になった段階で何月でも年少クラスにいれることができる。


そのため年少クラスには二学年が混在することになる。
遊び相手が満三歳入園組だと、進級の時に年少と年中に別れてしまうのだ。


まご女は遊び相手の満三歳入園者と別れて年中にあがることになる。
娘は「人間関係にドライだから 気にしないよ」と言う。
表面的にはそうかも知れないが、深層までは当人にも分からないではないか。
さらっと娘がそう言ったということは
こいつ進級時の事情を言ったな ということである。
まご女に「〇〇ちゃんとは違うクラスになるんだからね」とか。


それが不安を呼び起こし、まご女は夜中にうなされるんじゃないか。


まご女は幼児の頃から繊細で敏感だった。
うっかり「あ…」と言っただけで泣き出す。
叱ることなんて絶対できなかったし、また叱る必要もなかった。
一度注意すると二度とやらないから。
結界があるのか と思うほど、ぴたっと止まる。
何を出しておいても触ろうとしない。
楽だけれど、心配だった。幼児の時ぐらい好き勝手やればいいのにと。


そんなまご女の繊細さが入園頃から屈折してきた。
何がどう作用して言動に出ているのか分からない。


まご女のストレスを考えると、ため息が出るが
そんな自分と一生つきあっていかなくてはならないのだから
まご女が自分で折り合いをつけるしかない。
娘への進言は娘のストレスとなり、それはまご女に撥ね返る。
黙って見守るしかないんだろう。


病名が判明し治療に入る時
自分のことだけ考えよう、余計なストレスは抱え込まないようにしよう
と決めたのに、療法の間は実行できたのに
貫くことは難しい。考えても仕方ないんだけどなあ…