火星人がぁああ!

マーシィこと火星人。
塊根から二本、茎が伸びている。
両方ともすくすくと育っていた。


いつもはワゴンに置いてあるが、
安定性に欠けるため掃除中はカウンターに移動する。
いつもの場所が空いてなかったので手前に置いておいたらば。


掃除終了後、ワゴンに戻そうとして気づく。
折れてる…


カウンター周囲の掃除は、その日全部家人がやった。
拭き掃除の時、私は風呂掃除をしていた。





家人は「気がつかんかった」と言うが、
気がつかなかったのは「折れてる」ことで、
なんらかの衝撃を与えたことは自覚している筈だ。
しかし彼がそういう時、すぐには認めないことは分かっている。
分っているから、追及もしなかった。


カウンターのいつもの場所に置かなかった私が悪いのだ。
家人のばかたりを信じた私が悪いのだ。
ばかたりの家人がやらかすことを想定しなかった私が悪いのだ。


ばかたりがああああ!


塊根だからして、葉っぱを繫らせること(だけ)が目的ではない。
まだ成育期だからまた横から伸びてくるだろう。
だからいいんだ。いいんだけど。


その後、買い物の際、私が忘れ物をした。
「火星人のことがショックで頭働かんかったわ」
と言い訳兼嫌味を言ったら
「ごめん」と言った。
だからいいんだ。