アイデンティティの危機

点滴から6日目。まだ血管痛がとれない。
左手が痺れている。それも穿刺箇所から下った手の甲まで。
手袋ができないので洗濯も干せない。


それよりも指先の痺れである。
前クールでは時々感じる程度だったが、
今回は頻繁で、そのうち常時なるんじゃないかと不安だ。
末梢神経障害によるものならこの先長いつきあいとなる。


今の程度ならば生活に支障はない。ないが
餃子は包めないと思う。


これは困る。


たかが餃子と言うなかれ。
我が家の餃子は「イベント」なのである。
100個(4人以下の場合)包んで(ちなみに大判だ)
(きゃべつ・ニラ・ねぎ・豚ひき肉をみっちり詰め込む)
ホットプレートで焼き上げ、一斉に食べる。
勿論一回では焼き切れないので3回繰り返す。
ひとり増えるごとに一袋分増える。
計算間違えて5人なのに6袋あけたこともあったっけ。


この量を包むとなると結構な労力である。
今の指ではとてもこなせそうにない。


アイデンティティ崩壊。


……大袈裟な。
他にもリクエスト料理はあるし。
娘の場合はローストビーフとか手羽先とか
息子の場合はもんじゃとか手羽先とか。
ああ。もんじゃもきついかなあ。キャベツ切るのが。
まるごと一個でも足りないもんなあ。
婿さんと娘となるとキャベツ二個だろうなあ。


なんて冗談で言っている間はいいけれど(冗談なんかい)
副作用が残るのは嫌だなあ。


とりあえず早く左腕の血管痛消えてくんないかな。
でもって早く味覚戻ってくんないかな。


作ることより食べることこそが私のアイデンティティ。