人の病気をネタにすんなや…

深野

家人が会合に出た時。

委員のひとりが、伴侶が手術だ入院だと話し

冷静ではいられないだの大変だのと吹聴した と言う。

そしてその上で「他言しないでくれ」。


もとより親しい仲ではない。

知らされたからといってどうすることもできない関係だ。

他言無用と言うくらいなら最初から言わなければいいのに。


次の会合の時。

化学療法が始まると言った。

「何が言いたいわけ」

「それだけ大変な中 ここまでやったんだと言いたいんじゃないか」

つまりは伴侶をネタにして、自分が同情や賞賛を得ようとしているわけだ。


一番大変なのはお前じゃない、当人だ。

生活が一変してしまう。

患者本人が家族以外の人に、どこまで知らせるか

知らたいかは個人差があるだろうが

自分の知らぬところで広めて欲しくはない。

もしかしたらそこは望まざるところかも知れない。


患者以外すべては他人だ。所詮「他人事」だ。

どれだけ親身になろうが、援助しようが関係ない。

患者以外決して患者になれない。


それをあたかも自分自身が当事者であるかのように

語って欲しくはない。


「最低だな そいつ」

私は呟き

「次にまた言ったら『家事も全部引き受けてるんですね!

掃除も炊事も雑用も全部 奥さんの代わりに!』と言ってやれ」

と家人に言った。