「誰に向かって言ってるんだ」

深野

腕組みして

斜め下に相手を見下ろして

言ってください。


マンション管理のあれこれを意見している。

そのひとつに、家人(たち)が唾を飛ばして激論してはいても

一向に進展がみえないものがある。


「あれは あきらめた方がいいと思う」

と私は言った。

「委員長たちが不安がるの分かるもの。

いざという時責任がとれないなら 早めに交換しておこう

って考えるのは仕方ないよ」

「どんだけ不具合が出てるというんだ! 少数だろ」

「今 じゃないよ 来年とかだよ。先のことなんか分からない」

「だからといって壊れてもいないものを交換するのはもったいない」

「…と言いつつ うちもガス給湯器替えたよね」

「あれはお前が言うから」


違います。

点検に来た業者が「問題なし」と言うのを受けて

「ありがとう」で終わろうとしているのに

横からこいつが「今 品不足なんだってね」とか水を向けるから

そりゃ業者としてはノりますよ。

で 結局申し込む羽目になったんですよ。

私はスルーしようとしていたのに。


「それが庶民と言うものなんだから

委員長たちばかり責められない」

「お前みたいな奴が多いから いかんのだ」


かっちん。

どの口が言う。誰に言う。

私が今までどんだけ組合のためにやってきたか

(そして成果を出してきたか)!

今回のことも一度はアンケートを作ろうとしたのだ。

だが「寝た子を起こしてもなあ」とやめたのだ。

あれこれ考えた末に静観に至ったのだ。


「では訊く。

① 戸別の修理はいつまで(部品がなくなるという脅しだから)可能か。

② 戸別の交換は可能か。いくらぐらいか。

③ その場合の負担は組合か個人か という取り決めはあるのか

  (以前にサッシに関して決めたことがある)

④ 現在発生している不具合は何件か。

⑤ 同一ルートに集中したものはあるのか」


ひとつも答えられなかった。

②に関しては訊きに行かなくてはいかんという話は出ていると言うが

「ならばどうしてすぐに行かないのだ」。


だんだん小さくなる家人。

「…すんません」


ったくよお。男どもはよお。

徒党を組んで「けしからん」って騒いでいるだけで

不慣れな役員の不安を取り除くことをしようとしない。

力ずくには限界があるんだよ ぼけが!


少なくともお前(家人)は私に向かって言っちゃいかんだろ

「お前みたいな奴」とは。