ドラマとコロナ

深野

「老害の人」が面白いねと家人と話す。

まだ一回しか見ていないが。

「うまくコロナと絡めている」


後から考える。

少し遅れて息子が感染した以外、身内に患者はいない。

当然死者もいない。

父が渦中に亡くなったが、もとより家族葬のつもりで

「いい言い訳ができた」ぐらいのことだった。


まご女は2020年2月の生まれである。

入院時は付き添い者も入室できたが

退院時は既に患者以外病院内に入れなくなっていた。

まるきりのコロナっ子である。

娘とまご女を中心に自宅で息をひそめて生活していた。


閉塞感に苦しめられた数年だったが

過ぎた今となっては「そんなこともあった」である。

だからドラマもただ懐かしく見ていられる。


けれど

ろくな手当も受けられず亡くなった人や

家族の看取りも見送りもないまま送られた人など

遺された身内の痛みはまだ記憶に新しいだろう。

どんな思いで「そんなこともあったね」を聞くのだろう。


そう考えると罪なドラマかも知れない。

役者たちも所詮「生き延びた」人たちなんだから。


しかし なんだね。たかが数年前なのに

あの息苦しさを忘れかけている。